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あ、そういやこの時間ならひょっとして流星群見れるんじゃね?と思って窓開けたんですが、寒くて3秒で断念しました。この根性なしが…!
うーん、でもせっかくの機会だし、一個ぐらい流れ星見たいなー。しっかり防寒して再チャレンジしようかしら。
寒さを克服したところで眠さに負ける予感満々ですが。
続きから、一個下の記事のバトンの続きです。
二.
風通しのよい丘の上。
人家が並ぶ通りを少し山側に逸れて、緩やかな石段をのぼった先に、その小さな墓地はある。
土方は一人、数本の白百合を手に石段を踏みしめていた。
山崎は下に停めた車で待っている。
左右の緑がつくる木陰は、石段を上り切ったところでサッと開ける。
まぶしさと吹き抜ける風に少し目を細めてから、土方はゆっくりと墓地に足を踏み入れた。
そして。決して立派すぎず控えめに、しかしさり気なく一番見晴らしのよい場所に据えられた、小さな墓石に歩み寄る。
手入れの行き届いたそれは、十年の歳月を経過した今でも美しく立っていて。
そこに眠る人の人柄ゆえだと、ごく自然に土方はそう思った。
正面まで歩み寄って、足を止める。
「……来るのが遅くなって、悪かった」
数秒じっと見詰めてから発した第一声は、思ったよりもするりと口をついて出て。
同時に胸のうちに広がった温かさに、土方はつい、キュッと眉根を寄せた。
まるで懐かしい人と顔を合わせて、便りがないのを詫びたかのような。
申し訳ないと言いながらも再会を歓んでいる、あの感覚。
――どの面さげて。
どこまでも手前勝手な自分に、旧交を懐かしむ資格があるとでも思っているのかと。
そう、胸中に湧いた温かさを無理やりに抑え込もうとしている自分に気付いて、土方は苦笑した。
……まったく、アイツの言う通り。俺はいつまで経っても相変わらずだ。
手の中のユリを墓前に供えようとして、乾いた水鉢が目に入る。そういえば手桶も柄杓も用意して来なかったと己の武骨さに苦笑を深めた。
そもそも、あの妙に気の回る部下がいなければ、花の一つも持参できなかったのだ。
パサリ。折り採ったそのままのユリを数本無造作に置いて、不躾ですまねぇなと墓に語りかける。
「毎年、隊士の誰かを死なせちまってるってのに、墓参りの一つも満足にできねぇ」
相変わらず、バカな男だよ。俺は。
そう言ってほんの微かに眉尻を下げ、土方は口端を緩めた。
山崎にそれを言われれば、今も昔も問答無用で殴り飛ばしているけれど。
彼が自分の何を指してバカと言っているのかは。今は、ちゃんとわかっている。
……わかるように、なった。
「十年もかかってようやく、俺はお前の背中が見えるところまで来れたらしい」
己の弱さと、それ故の狡さを。あの時の自分は承知しているつもりでいた。
けれど、実際には何もわかってなどいなかったのだと。
少し目を開きさえすれば、眼前に広がっていたはずの別の道を。ずっと手を差し伸べて待っていてくれた得がたい人を。見もせずに背を向けた愚かさに、本当の意味で気付けたのは呆れるほど後になってからで。
今となっては湧いてくるのは自嘲や慙愧よりも、当時自分よりずっと大人だった相手への、畏敬と謝意。
――謝ったところで罪が消えるとは思わないけれど。
「…あの頃の俺を悔いることを、お前は許してくれるか?」
赦しを請うでもなく、ただ悔やみ惜しむことを。
己の過ちを過ちとして、抱えていってよいかと問えば。
「ダメよ、許さないわ」と。
コロコロと涼やかに笑う声が、空の上から聞こえた気がした。
…ああ、お前はきっとそう言うのだろうな。土方は瞑目する。
振り返るなと、彼女は行った。
私を置いて行くのだから、選んだ道を貫き通せと。
だから。土方があの時の自分の選択を否定することは、きっと。彼女にとっては何よりもの侮辱なのだろう。
謝るな。悔いるな。振り向くな。
彼女の優しさは、いつも厳しい。
ならば自分は、その厳しさに応えよう――それが唯一、自分にできることだから。
山崎あたりに聞かれたらまた「バカですね」と言われそうなことを考えて、土方は穏やかに口角を上げた。
――『悔いることを、許してくれるか』
土方からミツバへの I LOVE YOU
――『いいえ、後悔なんて許さないわ』
ミツバから土方への I LOVE YOU
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読むのは大好きだけど、書くのは難しすぎて避け続けていたトシミツ。
それにバトンで挑戦するというこの無謀さよ!
以下私信。
>エミィ!
素敵なバトンをありがとー!無駄に張り切って空回りつつ回答させてもらってる!
土方とミツバは切り離せないよね~~。エミィの脳内で深く繋がってるのも知ってるYo!それのせいで土方迷子なんだよね!笑
ミツバ編に色々思うところのあるエミィからのバトンにトシミツで答えるってのは、我ながらかなりチャレンジャーだなと思ってたんだけど(自らハードル上げすぎた/(^o^)\)ちょっとでも楽しんでもらえたなら嬉しい…!
あー、山崎の風貌は…今とあんまり変わんないんじゃね?(笑)永遠の年齢不詳。たぶん三十前後に見える四十路とかそんなんじゃないかな。
>イロガミさーん!
バトンキャッチありがとうございますぅおおおお!
ぱっつち切ねぇ…!めっちゃ滾りましたうおおおお!ドタンバタン
周りの方々の回答が見たい一心でバトン拾ってきた甲斐があったよ…!(え)